安西こずえに学ぶ、
着こなしの極意。 vol.7

プレス三谷麗子が日々リアルに感じている 「これ、どう着たらいい?」に、スタイリスト安西こずえさんがアンサー。
「こう着てみたら?」と、おしゃれの選択肢を提案するクロストーク連載です。
明日すぐに活かせる、着こなしのアイデアをキャッチ。

lesson of the week

LESSON OF THE WEEK

トレンド or ベーシック。
いち早く狙うべき2大アウター

三谷:

「毎年思うんですけど。アウターって、遅くとも9月中には“何を買うか”戦略立てておかないと乗り遅れますよね。というか、いざアウター欲しい!ってなったときに、ノープランだと急に焦り出すことになる(笑)」

安西:

「お察しします(笑)。アウターって大きい買い物だし、秋冬の着こなしの核になるものだから。夏の終わりからちゃんと考えて選びたい。その観点でいうと、私はアウター先取り推進派、かな。この時期にはある程度狙いを絞っておくといいよね。むしろ、コレ!ってものは寒くなる前に先手必勝で買っちゃうのがオススメ。アウターが決まると、自動的にそれ以外のアイテムの買い物プランも立てやすくなるから。結果として、シーズン通してアウターありきの賢い買い物ができると思うんだよね」

三谷:

「賢い買い物、確かにそうですね。俄然、アウター選びに熱が入ります! とりあえず、真っ先に買う一着としては。今年っぽさ重視のトレンドものとベーシックなタイプ、その2つで悩んでいて。まずはトレンドものから着こなしのレクチャーお願いできますか?」

安西:

「シャツジャケットね、今年気になるよね~。ビッグサイジングのオーバーシャツ感覚で、気負わずにサッと羽織れる使いやすさがいい」

三谷:

「この型は素材違いで3色あるんですけど、特にこのオフホワイトのボア素材に惹かれてます。ボア特有のモコモコした表面感が、シーズンライクで可愛いなって。襟元を少し後ろに抜いて着るこの感じ、やっぱり好きなんですよね~」

安西:

「うん。このフォルム、三谷さんっぽい。身頃とか袖とか、全体的にたっぷりしたシルエットで、さりげなく華奢に見えるってのもいいよね。より三谷さんらしくと思って、小粒のドットがプリントされたシックなギャザードレスを合わせたんだけど。まさにこういう感じが、このジャケットを着こなすコツ」

三谷:

「あ。フェミニンなものとMIXするといいよ!ってことですかね」

安西:

「そうそう。ジャケット自体はカジュアル寄りのデザインでしょ? だから、合わせるものは女らしいワンピースとか、てろっとした素材のブラウスとか。ドレッシーだったり、少しフォーマル調のムードがあったり、レディな雰囲気のアイテムを選んでカジュアルに寄せないのがポイント。小物もトラッドとかクラシカルとか、重みのある素材感を意識するといいと思う」

in case of SKIRT

三谷:

「ベーシックなタイプとしては、チェスターコートが欲しいなと。これ、イタリアのとても上質なウールを使っていて。そのスムースな素材感も相まって、かなりクオリティ高めなんです。まさに大人ならではの一着、って感じにぐっと心をつかまれまして」

安西:

「ラペルつきのすとんとしたシルエットが定番のチェスターコート。合わせやすさでいえば万能だから、毎年欲しくなる気持ちわかる~。それも、より上質感のある一枚ってなれば、大人はなおさらだよね。そしたらさ、黒とかキャメルはすでに持ってるってケースも多いと思うから。二枚目チェスターってことで、この手のニュアンスカラーはどう?」

三谷:

「仰るとおり、ベーシックカラーはすでに持ってます(笑)。そう、チェスターって合わせやすいから何かと出番も多くて。二枚目チェスター、あってもいいなって思ってたんです。ニュアンスカラーにすれば、色合わせや雰囲気含めてベーシックカラーとは違った方向性で使えそうですし」

安西:

「しかもこれ、ほんのり赤みも感じるグレーベージュ的なトーンだから、女らしいムードも出しやすいと思うな。今回は、コートと色調を合わせたスモーキーブルーのニットをインに。白レースのタックパンツを合わせてキャッチーな配色に仕上げてみました。チェスターコートそのものは普遍的な定番アイテムだから、そのぶん中に着るものは冒険しやすいと思うの。色とか素材感、デザインに至るまで、自分的にちょっと攻めた感じのアイテムを着ても、チェスターコートを羽織ることで自然に落ち着いて見えるから。うーん、トレンドとベーシック、時間差で両方揃えたいのが正直なところだよね(笑)」

[STAFF]
Photography : Koji Sato [UM] / Styling : Kozue Anzai / Hair & Make-up : Maiko Inomata [TRON] / Edit & Text : Nao Manita [BIEI]

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