安西こずえに学ぶ、
着こなしの極意。 vol.8

プレス三谷麗子が日々リアルに感じている 「これ、どう着たらいい?」に、スタイリスト安西こずえさんがアンサー。
「こう着てみたら?」と、おしゃれの選択肢を提案するクロストーク連載です。
明日すぐに活かせる、着こなしのアイデアをキャッチ。

lesson of the week

LESSON OF THE WEEK

FRAY I.D 渾身の「リバーコート」
3型の中から、どれを選ぶ?

安西:

「まずは、“リバーコート”について聞いてもいい?」

三谷:

「はい、簡単にご説明しますと。コートの表地と裏地、どちらにも同じ生地を使っていて。それらを縫い合わせて仕立てる“リバー縫製”という方法で作られたコートなんです。なので正しくは、リバー縫製コート。ブランド内では通称“リバーコート”と呼んでいます」

安西:

「それで“リバーコート”なのね、なるほど~。そもそも表地に使う生地を、さらに裏地としても使ってるわけだから、その時点で高級感が出るよね」

三谷:

「そこが特徴なんです。裏地までクオリティを維持してるぶん、脱いだときもちゃんと高級感があって。大人ならではの貫禄を出せる、というか。脱ぎ着のタイミングでも上質感を実感できて、所作にも自信が持てる気がしますね」

安西:

「脱いだり着たりのときって、結構見られてるものだしね。しかも、コート自体は比較的薄くて軽やかなのに、着ると断然暖かい♥ 肩凝らなそうだから、毎朝つい手がのびそう(笑)。高級感と実用性が両立してるとなれば、目の肥えた大人たちに響くわけだね。売れてるの納得」

三谷:

「価格も含めて、高級感に実用性。いろんなバランスがすごくいいシリーズなんですよね。まずはこちらのチェスターシルエットのコート。個人的には、衿のフォルムにリバー縫製ならではの丸みがあるのと、袖のふんわりした立体感が好き。かっちりしすぎず女らしく着られそうですよね。共布ベルトつきなので、ガウン風にルーズな感じで着ることもできるんです」

安西:

「確かに。形はチェスターなんだけど、全体的に柔らかい印象。共布ベルトを外してこんな感じでストンと着ても、メンズライクに転ばず女っぽさをキープできるのがいい。ホワイトと迷ったけど、キャメルを選んでみました。中は私もよくする配色、茶×ペールブルーで穏やかなコントラストを。コートのカラーにトップスの色みを寄せると、簡単に今っぽい雰囲気が出せるのでトライしてみてほしいな」

in case of SKIRT

三谷:

「お次は、共布マフラーがセットになったこちら。直線的なラインでモダンな感じしますが、だぼっとしたオーバーサイズ感が着こなしやすくて。洗練ムードとラフさのいいトコ取り、的な一枚なんです」

安西:

「この秋冬はクラシカル回帰の流れで、首元にボリュームを持たせるのもトレンドのひとつ。それもあって、ストールやマフラー付きのコート結構多いんだよね。この一着だけで、即今っぽいムードになるからオススメ。あえてホワイトにしたのは、コートの中を鮮やかにしたかったから。白コートに、デザイン性とか色使いがキャッチーなニットワンピース。その組み合わせが洒落てるなと。冬の白コートのリッチ&ウォーミングな感じも好きなんだよね~」

in case of SKIRT

三谷:

「最後は、リバーシブルで着られるタイプ。これはブラウン×ブラックになっています。身頃とか、サイドスリットから片側の色がチラ見えするのが適度なニュアンスになっていいんですよね。ブラックの場合は、両サイドにスリットポケット。ブラウンを表にすると、スリットではなくパッチポケットになるのがポイントです」

安西:

「リバーシブルで使えて、両色ともちゃんとポケットありなの最高~。ノーカラーはさっと羽織るだけでもエレガントに映るし、長すぎないこの絶妙な丈感は使いやすいよね! ブラックのほうでは、今シーズンのトレンドカラーでもあるパープルをボトムで取り入れてみました。パープル、抵抗ある人もいるかもしれないけど、こんな風に黒コートのインに入れたりとか、黒の面積多めで合わせると上品に着こなせるはず」

三谷:

「黒多めでパープル、私もやってみたいです。黒コートとなら、すぐ実践できますね」

安西:

「ブラウンを表にしたバージョンでは、共布ベルトをゆるく結んでガウンっぽく着てもらいました。こっち側のパッチポケット、可愛くて好きだわ~。共布ベルトを結んだリボン部分に片面のブラックが見えてくるから、袖口も軽く折り返してブラックをのぞかせてバランスよく。さらに足元も黒のダッドスニーカーに。黒を点在させることで、全身をキュッと締める意図も持たせてます」

[STAFF]
Photography : Koji Sato [UM] / Styling : Kozue Anzai / Hair & Make-up : Maiko Inomata [TRON] / Edit & Text : Nao Manita [BIEI]

ALL ITEMS