「着ていて落ち着く」色だから、「気分の上がる」デザインで
大人の素敵は
“ベーシック色だけ”あればいい
―プレス三谷麗子が着こなす、初夏の20日―
vol.3
「流行りの服を着ていても、おしゃれが決まらない」
―それはもしかして、トレンドに”振り回されて”いませんか?
目新しい色に、デザインに、飛びつくのもいいけれど、
おしゃれの基本は土台からというように、
まずは自分に似合い、自信をもたらしてくれるような
ベーシックカラーを極めることが第一歩。
着慣れた色でも“素敵”がかなう、選びや着こなしのヒントを
プレス三谷麗子がご紹介します。
DAY 9
天気の変わりやすい初夏に
うれしい4WAYニット
「汗ばむほどの陽気と思いきや、雨が降ってひんやりと肌寒かったり、天気や気温の移り変わりが激しい5~6月は着るものに迷いがち。そんな初夏のシーズンにこそ、着回し力の高いツインニットが一つあると重宝します」
「一枚目の写真では、肩の開いた変形ニットのように見えますが、実はノースリーブのニットと両Vネックのカーディガンのセット。どちらも単品でも活躍するシンプルなデザインですが、ノースリの袖口にあるボタン穴にカーデのボタンを通すと、レイヤードのような着方ができる優れモノです。着方のバリエは4通りにも!」
「こんなふうにヘルシーな“着崩し”ができる仕掛けがあると、その日の気分や合わせるアイテムとのバランスで着方を変えられるのでおすすめ。黒のツインニット×白パンツという組み合わせでもコンサバになりすぎず、あか抜けて見えるのもそのおかげです。今日はコーデに軽さを出すもうひと手間として、やわらかなベージュをパンプスやバッグなどで部分的に取り入れてみました」
DAY 10
“黒じゃない”配色ワンピを
フォーマルの新定番に
「毎年5~6月はお呼ばれも多い時季。これまでフォーマルといえば黒やネイビーが鉄板でしたが、ベーシック色ならこんな配色ドレスも奇抜にならず、新鮮で美しい。マットな質感のカーキスエード×艶やかなカーキサテンのコンビは、高級感もおしゃれ感も申し分なしです」
「後ろに流れるような切り替えを施したハイウエストや、体を縦に美しく見せるバイアス加工のスカートなど、立ち姿までも美しく見えるように計算されたワンピは、1.5次会やイベントなど立食型のパーティにもぴったり。私も初めはタイトすぎる気がして躊躇していましたが、実際着てみるとラインを拾わず着やすいフォルム。カジュアルな靴にしたり、シャツを羽織ればデイリーにも使いやすいという着回し力の広さも即決した理由でした」
DAY 11
おしゃれの幅を広げてくれる
ツヤ素材を取り入れて
「DAY10ではワンピースでしたが、普段の着こなしにも少しツヤを取り入れるだけで、会食やオケージョンなどさまざまなシーンに使うことができます。今日のサテンブラウスもその好例。淡いグレーがかったホワイトもぐっと華やかになりますし、パフスリーブやくるみボタンのついたカシュクールデザイン、ウエストが絞られたペプラムといった女性らしいデザインも、“映え”を後押ししてくれます」
「トップスに主張があるのでボトムはシンプルで十分ですが、辛口だったり、モードに仕上げるほうが甘さが緩和されるので、脚のラインがきれいに見えるテーパードパンツを合わせました。そしてパンツもシルクのようなツヤ素材を選ぶことで、品のよさがアップ。淡い色同士のワントーンコーデなので、ボンヤリしないようにきれい色の靴でメリハリを効かせるのもいいですね」
DAY 12
背中開きやメッシュなど
“涼しい白”にもひとワザを
「前はドライタッチの生地、後ろにはとろみのある薄手の生地を組み合わせた異素材のトップスは、肌あたりがさらっとしていて、湿気や汗でムレがちなこれからの季節に大活躍。今年はバックシャンなアイテムが人気ですが、背中のツイストや深いスリットも可愛さと涼しい着心地を両立していて、夏には見逃せないトレンドです」
「今日はポイントにベルトを加えましたが、トップスもスカートも前後や左右ですその長さを変えたアシンメトリーなデザインなので、ロング×ロングな着こなしでも軽やかさは健在。夏を見据えて、白いシューズもそろそろ一足。あえて軽快なメッシュ素材で、ドラマチックな艶スカートをカジュアルに外してみるのも素敵です」
[STAFF]
Photography : Masaki Sone [PEACE MONKEY]
Videography : Tomoyuki Koja [PEACE MONKEY]
Styling : Chisato Takagi
Hair & Make-up : Makoto Morikawa [PEACE MONKEY]
Composition & Text : Machi Ito