安西こずえに学ぶ、
着こなしの極意。 vol.11

プレス三谷麗子が日々リアルに感じている 「これ、どう着たらいい?」に、スタイリスト安西こずえさんがアンサー。
「こう着てみたら?」と、おしゃれの選択肢を提案するクロストーク連載です。
明日すぐに活かせる、着こなしのアイデアをキャッチ。

lesson of the week

LESSON OF THE WEEK

ワードローブに新風を吹き込む
3タイプの“買い足しニット”

三谷:

「いよいよ、体感的にも本格的な秋がきたなって感じしますよね。こうなってくると、一枚でシーズンライクな着こなしがキマるニットアイテムに自然と目が行きます。このワンピースなんて、とくに。ニットのトップスとキャミワンピをレイヤードしてるかのような、凝ったデザインが一枚に凝縮されてて……」

安西:

「これ、デザイン性高くて素敵だよね。肌見せとカシュクール、それにアシンメトリーでしょ。一見、ディテールが複雑な感じでハードル高めにも思えるけど。素材がニットでプレーンな単色だから、実際袖を通してみるとまったく難しくない。思ったより全然着やすいの」

三谷:

「そうなんですよ。実はこのワンピース、よく見ると細リブを部分的に入れていて。編み地というか、表面感の違いでさりげなくコントラストをつけてまして。デザイン性とも相まって、一枚で奥行きが出せるんです。だから、こういう淡い色みの単色でも“のっぺり感”はそんなに気にならないですね」

安西:

「そこまで織り込み済みなのね。つねにスタイルアップ効果も計算に入れてるFRAY I.Dならではって感じ。すでに欲しい、これ(笑)。一枚でコーデが完成するデザインフルなワンピースは、何も考えずにとりあえずこれを着ればいいってところも助かるよね。忙しい朝とか、時間がないときに本当重宝する。今回は、ブーツも同系色で合わせてワントーンに。そこに、春夏に続いてブーム継続中のビッグトートでアクセントをきかせてみました。モダンなワントーンに、アラベスク調のクラシカルな柄のバッグで一点インパクト主義。このバランスが旬!」

in case of SKIRT

三谷:

「二枚めは、ボトムスとのレイヤードがいろいろ楽しめそうなハイネックのワンピース。この形、昨年もかなり売れた定番モノで。安西さんと並んで撮影したバナーでも同じもの着てますが、ストンとしたシルエットがうまく体型カバーしてくれるんですよ。立っても座ってもこなれた感じに見える。そのぶん、誰が着てもサマになりやすいのかなって」

安西:

「それはあると思う。比較的ゆとりのあるサイズ感だから、着る人を選ばないし体型カバーもしやすいよね。それでいて、首元や袖口、裾はリブに切り替えてキュッとさせてるから、全体的に間延びして見えない」

三谷:

「なるほど~! そのあたりが人気の理由なのかも。両サイドの裾に入ってるスリットのおかげで、こんなふうに広がりのあるロングスカートを重ねてもキマるんですね。ついつい私、レギンス合わせ一辺倒になりがちで……」

安西:

「昨年は圧倒的にレギンス合わせだったもんね。もちろん、レギンスでカジュアルに寄せても可愛いんだけど。今年は、こんな感じの量感たっぷりとったギャザープリーツみたいな、ボリュームのあるロングスカートを重ねてあげても素敵だと思うな。ワンピースのサイドスリットをいかす感じでね。さらに、こうやってベルトでウエストマークして、かっちりしたデザインのいわゆる“淑女バッグ”を合わせれば、クラシカルでエレガント。今っぽいムードに仕上がりますよ」

in case of SKIRT

三谷:

「最後はニットのセットアップです。上はハイネックでゆとりのあるルーズなシルエット。逆にスカートは、ハイウエストでタイトなデザインに。両方、単品でも使いやすそうだな~って漠然と思ってましたが、やっぱりセットで着ると抜群にいいですね」

安西:

「無地の単色で、一見すごくシンプル。あっさりしちゃうかな?なんて思ったりもしたんだけど、着てもらったらすごくよかった! 上下で着たときに、これ見よがしじゃなく、さりげなく洒落た印象に見えるように“ルーズ×フィット”の加減を計算して作ってると思うんだよね。これぞ大人の日常着って感じ。セット買いしておくのが賢い選択かと」

三谷:

「それ聞いて決めました。私も上下で買います(笑)。シルエットとかフォルムもそうなんですけど、ブラウンの深みのある色合いにも惹かれたし、スカートのサイドスリットも好きです」

安西:

「ニットっていうカジュアルな素材感だからこそ、スリットがより女っぽく映るんだと思う。今回みたいに素肌をのぞかせるなら、足元はダッドスニーカーでハズすくらいがちょうどいいかなって。もっと寒くなってきたらニーハイブーツにしても可愛いし」

三谷:

「この手のスニーカーの使い方、さすがです。以前の回で、Vネックニットのときの足元に合わせてたのも勉強になりました」

安西:

「そうそう。ハズしとか女っぽさの中和とか、ダッドスニーカーって結構使えるのよ。それから、肩がけしたショート丈のファージャケットもポイント。コーデにまとまりを持たせつつ上半身に軽さを出したかったので、セットアップのブラウンと同系色&淡いトーンのベージュをチョイス。ブラウン上下の重さを払拭するのが意図だから、ベージュやモカ色のストールとかでもあり。羽織りナシの場合だったら、腰にスカーフ巻いたり、ロープベルトとかチェーンベルトでアクセントつけたいかな。セットアップをフラットに見せないためのウエストマークね。これ、あるかないかで仕上がりが全然変わってくるの。ひと手間を惜しまないことが、おしゃれの完成度を高める重要なカギですね」

[STAFF]
Photography : Koji Sato [UM] / Styling : Kozue Anzai / Hair & Make-up : Maiko Inomata [TRON] / Edit & Text : Nao Manita [BIEI]

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